1.共通編
1-1 服装・保護具
(1)ズボンの裾は広くしない。
(2)熱中症の対策を行う。
(3)工具には飛来落下防止のため落下養生ヒモを付ける。
(4)安全靴はJIS規格品または相当品を履く。
・(災害事例)安全靴先芯
・(災害事例)釘踏み抜き
(5)安全帯のロープは、引っかからないようにする。
・(災害事例)安全帯でU字吊り
(6)上向き作業は保護メガネを着用する。
1-2 準備作業など
(1)現地KYは各作業ごとにその場所で行う。
(2)火気使用届を元請に提出する。
(3)役割や資格者の配置を明確にし、不在時の対処についても決めておく。
(4)作業場所を明るくする。手元灯を使用する。
(5)ピット等では酸欠の危険へ対処する。
1-3 電気関連
(1)ELB(漏電遮断機)が確実に作業するか作業前にチェックする。
(2)電動工具は自主点検したものを持ち込む。
(3)電動工具などの注意事項
(4)ディスクグラインダ(ベビーサンダー)の注意事項
(5)切断機(高速カッターなど)の注意事項
・(災害事例)電動工具感電
1-4 通路と整理整頓
(1) 作業通路を確保する。
・(災害事例)歩行中に携帯電話を使っていて足をくじく。
・(災害事例)デッキプレート上で転倒
(2)キャプタイヤケーブルは通路、階段にじかに這わさないようにする。
(3)床配筋上ではメッシュロードの上を通行する。
(4)梁筋上では、メッシュロード等を結束するなどしてから歩行する。
・(災害事例)地中梁上で鉄筋の間に足を落とす
(5)法面を登り降りしない。
(6)腹筋などを登り降りしない。
(7)昇降設備でないところを登り降りしない。
(8)仮設材を立てかけない。
(9)開口端部やスロープ上に資機材を仮置きしない。
1-5 水平運搬
(1)長い資材(長尺)は2人で両端を持ち運ぶ。
(2)台車の運搬は、決められた人数で行う。
(3)台車による小運搬では事前に運搬経路の段差やスロープなどを確認する。
・(災害事例)台車運搬中に段差で荷崩れ
・(災害事例)台車運搬中にスロープで荷崩れ
(4)腰痛に注意する。
1-6 搬入・揚重作業
(1)運転手には勝手に先行して荷締めワイヤーを外させない。
(2)車両の荷台への昇降には、昇降設備を使用する。
・(災害事例)地切り時に荷が振れ
(3)路面から2m 以上の高さに登らない。
・(災害事例)あおりから転落
(4)合図方法を明確にする。
(5)吊荷を地切り時に点検する。
(6)吊荷の下に人を入れない。入らない。
(7)吊荷が引っかからないよう、介錯ロープを使用する。吊荷の直下に入らない。
(8)玉掛ワイヤーは作業前に点検する。
(9)玉掛ワイヤーが折れ曲がる部分には保護材をあてる。
1-7 足場上の作業
(1)足場の始業前点検を行う。
(2)足場の盛替えは決められた通りに行う。
(3)層間ネット等を作業上、ずらした場合には、作業が済み次第、復旧する。
(4)足場上では安全帯を使用する。(その1~3)
(5)足場上に物を仮置する場合は結束や袋詰めし、落下防止をする。
(6)足場に乗るときには渡りを通る。
(7)足場をよじ登らない。
(8)タラップ・ハシゴでは、物を持たずに昇降する。
(9)昇降タラップや梯子では安全ブロックを使用する。
(10)ローリングタワーの昇降タラップでは安全ブロックを使用する。
1-8 可搬式作業台上の作業
(1)昇降時の注意事項
(2)作業時の注意事項
(3)安全帯を掛けるよう工夫する。
・(災害事例)天板端部から身を乗り出し転落
※可搬式作業台を正しく安全に使いましょう(㈳東京建設業協会 労働安全研究会編)
1-9 セーフティベースの使用
(1)開閉は取扱説明書で決められた人数で行う。
(2)脚輪のストッパーは全てかけること。
(3)作業床の高さが1.1m 以上の場合は、手すりおよび昇降設備を設置する。
(4)セーフティベースは隙間なく敷く。
・(災害事例)セーフティベース上の足場板がすべり転落
1-10 高所作業車の使用
(1)有資格作業は有資格者が行う。
(2)キーを付けたまま離れない。
(3)中さん(可動手摺)を無効にして作業しない。
2.杭・山止・土工事
2-1 共通事項
(1)決められた場所以外は昇降しない。
(2)高さ1.5m以上の法面を昇降路する場合には、安全な昇降階段を設ける。
(3)小運搬では、段差やスロープなどを考慮して一度に運ぶ量を決める。
(4)大ハンマーでコン止めを固定する場合は、指挟まれに注意する。
・(災害事例)玉掛ワイヤーが切れて吊荷が落下
2-2 人と重機との分離
(1)作業場所を区画し、誘導員以外は立入禁止とする。
(2)近道行為をしない。立入禁止区域に入らない。
(3)重機の作業半径内に入る場合にはグーパーでの手合図を実施する。
・(災害事例)バックホウが誤作動して挟まれ
・(災害事例)バックホウと手摺との間に挟まれ
・(災害事例)バックホウの旋回半径内に入りバケットと激突
・(災害事例)重機のカウンターウエイトに挟まれ
2-3 重機作業
(1)クレーン仕様のバックホウでは、荷を吊る前にクレーンモードに切り替える。
(2)クレーン機能の付いていないバックホウで用途外作業は行わない。
(3)バックホウに「後方確認用バックモニター」を取り付ける。
(4)席を離れるときには、キーを抜く。
2-4 掘削作業
(1)落下の恐れのある石や土塊をあらかじめ除去しておく。
(2)H鋼などに付いた土のケレン作業は、適切な高さで行う。
(3)作業台は平らで堅い床面で使用する。
(4)丸ノコ使用時は、切断ラインに体を入れない。
(5)掘削1.5m毎に矢板入れを行う。掘りすぎない。
(6)重機の作業範囲と横板入れを行うエリアとは、区画する。
(災害事例)掘りすぎたため、土が崩れ被災
(7)法肩で作業する場合には安全帯を使用する。
(8)地盤改良材が混入した水を皮膚に付けない。
(9)プレート・ランマー作業ではマンホールや躯体部など固い場所を避ける。
2-5 ダンプ関連
(1)ダンプの誘導時の注意事項
(2)車両・重機の誘導員は、他の作業をせず、誘導に専念する。
(3)ダンプのあおりに付いた土や小石は、指でほじくらず、ほうき等で除去する。
(4)公道を汚さない。
(5)場内では徐行すること。
(6)作業員が近くにいる場合は、鉄板が暴れたときに足を挟まないように減速する。
(7)タイヤ止めは、スロープに駐車するときは設置する。
3.鉄筋工事
3-1 揚重・運搬
(1)鉄筋材をスラブ上へ載せる場合には、指定された範囲に載せる。
(2)台車運搬時は鉄筋を台車の中心に載せる。
・(災害事例)運搬中に台車が傾き、鉄筋束が落ちた。
・(災害事例)鉄筋を降ろすときに台車が傾き、足の上に鉄筋束が落ちた。
3-2 片付け作業
(1)切断材・端材を放置しない。
・(災害事例)鉄筋端材を踏み滑って転落
(2)鉄筋を束ねていた番線を切ったら、その場で片付ける。
(3)スクラップ材は揚重できるものに入れる。
3-3 基礎・地中梁
(1)鉄筋材は平らなところに置く。
(2)腹筋などを登り降りしない。
(3)梁筋上では、メッシュロード等を結束するなどしてから歩行する。
・(災害事例)地中梁の上で鉄筋の間に足を落とし転倒した。
3-4 柱・壁配筋
(1)横筋に足を掛けない。
・(災害事例)アングル架台上で鉄筋台直し作業中に、バランスを崩して墜落
3-5 梁・スラブ配筋
(1)梁落とし込み前の梁支持用のウマは、床端部から10cm 以上離して設置する。
(2)ウマを揚重するときには、荷崩れを防止する。
(3)床配筋後はメッシュロードを敷く。
(災害事例)床端部で鉄筋の台直し作業をして転落
(4)階段配筋時には安全ブロック等を使用し、転落を防止する。
・(災害事例)階段配筋時に安全帯のロープが引っかかり転落
4.型枠工事
4-1 保護具
(1)コンクリート釘打ちでは保護メガネを着用する。
(2)コンプレッサー使用時は保護メガネを着用する。
4-2 搬出入・揚重
(1)車両の荷台への昇降には、昇降設備(トラックラダー等)を使用する。
(2)荷台上での作業は、地上から2m未満に立ち行う。
(3)吊荷の下に人を入れない。
・(災害事例)型枠材から玉掛ワイヤーが外れ落下
(4)吊荷の混載時には全て番線で結束する。
・(災害事例)吊荷がサポートに接触しサポートが倒れた
4-3 丸ノコ作業
(1)カバーを外さない。改造しない。
(2)切る部材は、しっかりと固定する。
(3)切断ラインに体を入れない。
4-4 台ノコ作業
(1)カバーを外さない。改造しない。
(2)小さい部材を加工する場合には手押し棒を使う。
(3)手袋は使用しない。
4-5 柱・壁・梁建込作業
(1)突風対策・風散対策を行う。
(2)トンボバタには、乗らない。
(3)サポートは立て掛けない。
4-6 スラブ張り
(1)梁上には親綱を張り、安全帯を使用する。
(2)大工がスラブ張り作業範囲にロープを張り、立入禁止表示をする。
(3)他業者が入れるようになった部分は、大工が立入禁止を解除する。
(4)階段型枠設置時には、転落を防止設備を設置する。
(5)デッキスラブ張り注意事項
・(災害事例)鉄筋を載せたところ、デッキスラブが抜け落ちた
・(災害事例)スロープのコンクリート打設中に支保工が崩壊
4-7 型枠解体
(1)立入禁止措置を行う。
(2)ピット解体時は、酸欠対策を実施する。
(3)保護メガネを着用する。
(4)立て掛ける場合は転倒を防止する。
(5)サポートは立て掛けない。
・(災害事例)サポートに立て掛けた型枠材が倒れた
(6)サポートの揚重時には、荷崩れしないよう桟木を挟むなどする。
(7)釘仕舞いと作業通路を確保してから、他職の立入禁止を解除する。
5.コンクリート工事
5-1 共通事項
(1)ゴム手袋を着用する。
(2)近道行為はしない。
(3)決められた場所以外は昇降しない。
(4)スロープに駐車するときは、タイヤ止めを必ず設置する。
5-2 打設階スラブ上
(1)デッキの隙間埋めでは、ゴム手袋を着用する。
(2)筒先、圧送配管近くでは保護メガネを着用する。
(3)ポンプ車のブームの下に入らない。
(4)床端部・開口部の近くでは、安全帯を使用する。床端部の安全帯を使用する。
(5)メッシュロードは、タイミングよく撤去する。
5-3 打設階スラブ下
(1)打設前に足場上の片付けを確認する。
(2)床養生シートを敷く場合は、段差や開口を隠さないように敷く。
(3)暗いところで作業しない。照明を用意する。
(4)スラブ下でコンクリート打設の合番を行う場合には、保護メガネを着用する。
(5)上下作業をしない。
(6)打設足場上では安全帯を使用する。
5-4 雑コン打設
(1)台車での運搬は、最大積載荷重を守る。
(2)台車の運搬は、決められた人数で行う。
(3)台車による生コンの運搬では、スロープを通らない
5-5 片付け
(1)残コンを左官舟に入れたら、固まる前に細かく分ける。
・(災害事例)左官舟に入っていた残コンが足の上に落ちた
6.鉄骨工事
6-1 共通事項
(1)近道行為をしない。
・(災害事例)昇降設備を使わずにピースをよじ登り墜落
(2)決められた場所以外を昇降しない。
(3)昇降タラップでは安全ブロックを使用する。
(4)二丁掛安全帯を使用する。
・(災害事例)鉄骨建方中、梁から梁へ渡るとき誤って墜落
(5)親綱は正しく緊張する。
(6)工具には飛来落下防止のため落下養生ヒモを付ける。
(7)上向き作業およびボールシン作業は保護メガネを着用する。
6-2 搬入・揚重作業
(1)トラック周りには立入禁止措置をする。
(2)路面から2m 以上の高さに登らない。
(3)運転手には勝手に先行して荷締めワイヤーを外させない。
(4)挟まれる恐れのある箇所では、手を入れずにバールやロープを使用して介錯する。
(5)荷台上およびヤードで、倒れやすい梁は転倒防止を行う。
・(災害事例)鉄骨梁の玉掛け中、梁が倒壊し下敷きになった
(6)鉄骨建方用および高所への吊り治具としてレンフロークランプなどを使わない。
(7)レンフロークランプ等の許容吊り荷重を守る。
(8)レンフロークランプ等の板厚の許容範囲を守る。
(9)縦吊り用のレンフロークランプ等は使用しない。
6-3 建方作業
(1)吊った状態の鉄骨や不安定な部材には乗らない。
(2)リーマードリルを使用する際には、電源の接続前にスイッチを確認する。
(3)コラムロック等は鉄骨に取り付ける前に、単体で仕組みを確認する。
(4)コラムロック等はセットボルトを最後までしっかりと押し込む。
(5)コラムロック等は青ワイヤーを強く引いても抜けないことを確認する。
(6)コラムロック等は玉掛けワイヤーのたるみがなくなった時点で再確認する。
6-4 溶接作業
(1)溶接機の始業前点検、ケーブル類の点検を行う。
(2)キャプタイヤケーブルは通路、階段にじかに這わさないようにする。
(3)溶接作業時においては、皮製の上着を必ず着用する。
(4)火花養生の点検、確認と溶接作業場所周囲の状況を確認する。
7.足場組立・解体工事
7-1 安全帯・親綱
(1)二丁掛安全帯を使用する。
(2)安全帯のフックは腰よりも高い位置に掛ける。
(3)親綱は十分に緊張する。(原則5スパン以内毎に親綱支柱を立てる。)
(4)安全帯はU字吊りで使わない。
7-2 足場組立
(1)足場材は固定していない状態のままにせず、すぐに結束する。
(2)ブレースや手摺・ネットなどの設置は遅れないようにする。
・(災害事例)ブレースの設置時に足を踏み外し転落
・(災害事例)垂直ネット設置が遅れ、仮設材が落下
・(災害事例)「中さん」の下から作業員が転落
・(災害事例)ローリングの昇降設備のステップから足を踏み外し転落
7-3 足場解体
(1)足場上に残されたものがないか確認する。
(2)足場組立解体作業の直下には入らない。(関係者以外立入禁止措置)
(3)手上げ・手降ろしは、3段目までとする。
・(災害事例)足場材を手渡しせず落下させ激突
(4)大組・大ばらしは手順書通りに行う。
8.左官・石・タイル工事
8-1 保護具
(1)上向き作業では保護メガネを着用する。
(2)コンクリート釘打ち時は保護メガネを着用する。
8-2 モルタル攪拌
(1)ドラム式モルタルミキサーには安全カバーを設置する。
(2)点検・清掃をする場合には、スイッチをオフにしてから電源プラグを抜く。
(3)マゼラーなどの回転を停止した状態で材料を投入する。
・(災害事例)攪拌機を回転させて清掃を行い、指を巻き込まれた
8-3 ベビーホイスト
(1)ベビーホイストの注意事項
(2)吊荷の直下に入らない。
8-4 可搬式作業台等
(1)作業時の注意事項
(2)スラブ下・梁下の広い範囲を作業する場合は、セーフティベース等を使う。
・(災害事例)作業台の上に乗りスラブ下を研磨していたところ転落
8-5 足場上作業
(1)足場上では安全帯を使用する。
・(災害事例)足場のジャッキベースを盛替えたところ、足の上に落下
9.内装工事(LGS・ボード)
9-1 搬入・運搬
(1)台車上のLGSなど鋼材を結束する。
・(災害事例)台車運搬中に段差で荷崩れ
9-2 ボード張り作業
(1)ボード切断用定規(保護壁付)や保護手袋など、切創対策を行う。
(2)丸ノコ等で切断して粉を吸う恐れがある場合は保護マスクを着用する。
・(災害事例)ボードを切断中に電動工具が曲がり指を切った
9-3 LGS組立作業
(1)振れ止めの端部切断後、人が脇を通行する場合には養生を行う。
9-4 溶接作業
(1)溶接ホルダーのカバーに欠けがあるものを使用しない。
(2)ホルダーに溶接棒を付けたまま、その場を離れない。
10.設備工事
10-1 共通事項
(1)活線作業・活線近接作業を絶対にしない。
(2)腰痛(ぎっくり腰)に注意する。
(3)ピット等では酸欠の危険に対処する。
・(災害事例)ケーブルラックに登ったところ、U 字吊りした安全帯が外れ墜落
・(災害事例)電動工具に手を添えていたところ巻込まれた
(4)カッターや電工ナイフを使用するときは、切創防止手袋を着用する。
・(災害事例)ダクトの端部で手首を切った
・(災害事例)台車の荷がずれて手を挟まれた
・(災害事例)台車から降ろそうとした荷を支えきれず下敷きになった
10-2 ケーブル敷設
(1)ケーブルドラムの逸走防止措置を行う。
(2)ケーブル敷設時には立入禁止措置を行い、手元・足元に注意する。
10-3 高所作業
(1)高所作業車は、床段差の近くでは使用しない。
(2)高所作業車を使ってケーブルを引いたりする作業はしない。
・(災害事例)電動工具を持つ体勢が悪く、手を巻き込まれた
・(災害事例)設置しようとしていたアンテナが抜け、転落した
10-4 溶接作業
(1)還り線は溶接箇所近くに取り付ける。
(2)火花を下に落とさないよう養生する。
(3)溶接箇所は換気(機械式給排気)する。