次亜塩素酸ソーダと酸が混合して発生した塩素ガスで中毒 混合による危険を認識していなかった
【製造業】【有害物等との接触】
災害の発生状況
この災害は、清涼飲料水の製造メーカーで発生しました。AとB班長は、空缶供給器の停止時間を利用して、その清掃作業を行うこととしました。
空缶供給器は飲料水を缶に入れる装置へ空缶を供給する機械であり、空缶(最大約8000缶)を入れる部分と、それをコンベヤへ送り出す部分とで構成されており、高さ2m、幅10m、奥行き5mほどの大きさです。
作業はAとB班長の2人で開始し、まず空缶供給器の水洗いを行いましたが、汚れが取れないので、Aが酸性洗剤(硝酸および有機物を含む)をコンベヤに0.5Lほど散布し、布を用いて汚れを拭きとり始めました。
一方、B班長は機械の上に乗り、機械上部の汚れを落とすため、次亜塩素酸ソーダ3Lを機械上面へ流しました。ところが、その場所が、たまたまAの作業していた場所の直上だったため、次亜塩素酸ソーダと酸性洗剤が混合して塩素ガスが発生しました。
Aは異臭を感じすぐに退避しましたが、しびれ、めまいおよび胸部圧迫感等を感じ、その後もその症状は消えませんでしたが、とりあえず、機械に水を流し、清掃作業を完了しました。
Aはその後症状がひどくなったため、医師の診断を受けたところ塩素ガス中毒と診断され、休業6日の災害となりました。
災害の主な原因
本件の原因は、…
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