自動塗装機械の清掃中、装置が動いてはさまれる 元電源を切らずに清掃作業を行った
災害の発生状況
作業者は、自動塗装装置の運転を担当しているが、災害発生当日は複写機の製造ラインが忙しかったので、その応援にまわり、その間、自動塗装装置を午前中は休止し、午後は課長Bが運転を担当していました。
夕方、応援に行っていたAが自分の担当する自動塗装装置のところに戻ってきたので、Bの指示により装置の清掃をAとBの2人で行うことになりました。
清掃を始めて約1時間経ったとき、突然、自動搬送台車が動き出し、Aがはさまれました。Bはすぐに操作盤の電源を切り、Aを救出したが、既に死亡していました。
自動搬送台車の稼動域の手前約30cmには鎖が張られ、これを外すと塗装装置と搬送装置の電源が遮断されるようにインターロックされていました。その機構は、鎖の一端がリレースイッチにつながっていて、鎖が張られているときはこの重量によりリレーが作動して、通電状態になるというものです。AとBは、清掃作業に取りかかる際、作業の邪魔になる鎖は外したが、操作盤の元電源は切りませんでした。Bは鎖が張られていたあたりで清掃作業を行っていたが、誤って鎖を引っ張ったため通電状態になって搬送装置が動き出したものです。
自動塗装装置の清掃作業は1週間に1度の頻度で行われていましたが、電源遮断方法等の手順を盛り込んだ作業手順書は作成されていませんでした。
災害の主な原因
この災害の原因としては、次のようなことが考えられます。…
この記事の全文は、安全スタッフの定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら