丸太皮むき機の歯車部への注油作業中に巻き込まれる 電源を切らずに注油を行っていた
災害の状況
災害発生当日、皮むき機の操作担当の作業者Aは、職長から杉丸太の皮むき作業を行うよう指示された。当日、工場内では7人が作業を行っていたが、Aは1人で屋外に設置されている皮むき機による作業に取りかかった。
Aが作業を開始して約1時間後、フォークリフトで屋外から工場内へ杉丸太の移動作業を行っていた作業者Bが、Aへの連絡事項を伝えるため探していたところ、Aが皮むき機の動力伝達用の歯車に巻き込まれているのを発見した。Aはすぐ病院に搬送されたが、死亡した。
皮むき機には、丸太を送るための動力を伝達する歯車が全部で16個あり、ラインに沿って1列に並んでいるが、Aが巻き込まれていたのは左側から4個目の歯車であり、左端の3個の歯車にはグリスが注油されていた。Aの足下には、グリス容器とグリスを注油するために使うへらが落ちており、Aは皮むき機を動かしながら歯車にグリスを注油していたところ、歯車に触れて巻き込まれたものであった。
Aがグリスを注油していた歯車は、カバー等の覆いがなく、むき出しの状態で回転していた。また、歯車の近辺には、作業者が危険を感じたときに皮むき機を停止させるための非常停止スイッチは設けられていなかった。
工場では、皮むき機の歯車に注油する作業について作業手順書を作成しておらず、また、注油する際には皮むき機を停止するルールもなかった。そのため、Aは普段から水圧式皮むき機を動かしたまま注油を行っていた。
災害の主な原因
この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。…
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