ガス溶断の作業中、引火性蒸気が爆発 「火気厳禁」が徹底せず、知識も不足
【製造業】【爆発・火災】
災害の発生状況
この災害は、産業廃油等を収集し、混合して、セメント工場の補助燃料を製造する工場において、原料である廃油、油泥等を仮置きしておくピットの付近で、循環ポンプ取替えに伴うアンカーボルトの溶断作業中に発生したものです。
工場内には、ピットが4つあって、ピット内の廃油を混合し、調整して製品にしています。この製品をタンクに貯油するための循環ポンプが油漏れするため、定期に行われる保全、修理を待たずに交換することになりました。
災害当日、午後2時過ぎ、保全主任は循環ポンプのアンカーボルトが交換するポンプと一致しないので、4本のボルトをガス切断することとし、作業を始めました。2本目をガス溶断し終わり、低カロリー廃油が入っているピットの方へ振り返ると、ピットの中央部に火炎が立ち上がっているのが見えました。
危険を感じて直ちに避難しましたが、続いて起こった爆発の熱風により顔や手に火傷をしたものです。
この火災爆発のため、工場内で作業していた作業者は全員避難しましたが、高カロリー廃油用ピット脇で使用済みドラム缶のプレス作業に従事していた作業員がピット内に落ちて死亡しているのが、鎮火後に発見されました。
災害の主な原因
この災害の原因としては次のようなことが考えられます。…
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