焼酎原酒タンクでアーク溶接中、アルコール蒸気が発火爆発 非定常作業の安全管理が不十分だった
【製造業】【爆発・火災】
災害の発生状況
この災害は、焼酎製造工場において、原酒貯蔵タンク上部の蓋付近に、盗難防止用のリミットスイッチを取付け工事中、タンク内で爆発したものです。
この工場には原酒(アルコール濃度約40%)の貯蔵タンク(内容積:49m3)3基が屋外に設置してあり、タンクの上部には1箇所ずつ蓋が付いていました。部外者による原酒の盗難防止用にタンクの蓋を開けると警備会社に通報されるようにするため、警備会社でリミットスイッチを取り付けることになり、工務課でリミットスイッチ設置用の架台を作って蓋の付近に取り付けることになりました。
災害発生当日、工務課の作業者A、Bは、朝から長さ約20cmのL字型のステンレス製の架台2個を加工し、午後4時頃から取付け作業を開始しました。Aは部品の一部に不都合があったので、手直しするために工場に戻りましたが、Bはそのまま、作業を続けました。
Bはタンク上部に登り、小型直流アーク溶接機によるアルゴン溶接によって、架台の溶接を始めましたが、しばらくして突然タンク内で爆発が起き、タンク上部の鏡板とともに20m以上吹き飛ばされました。
なお、タンクには容積の半分(約23m3)の原酒が入っていて、夏期であったために、タンク内上部の空間には気化したアルコールが空気と混在していたと推定されます。
災害の発生原因
この災害の原因としては、次のようなことが考えられます。…
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