安全スタッフ 2012年5月1日 第2161号
特集
やっぱり最後はKYTが物をいう 全員指差し唱和なら恥ずかしくない 藤倉化成佐野事業所
労働安全衛生マネジメントシステムを導入している企業は、大手を中心に定着化の傾向がみられるが、労働災害をゼロにするためにはプラスアルファが必要として取り組んでいる企業がある。藤倉化成(株)佐野事業所(栃木・佐野市)では、マネジメントシステムの効果を認識しつつも災害ゼロを達成するには何かが足りないと考えた。安全確認の不足が最大の要因だということを発見、KYTによる指差し呼称の徹底化をめざした。ところが、指差し呼称を行うのは恥ずかしく勇気がいるため、なかなか思うようにいかない。そこで、全員による指差し唱和を実施したところ、恥ずかしさを克服できたという。災害ゼロ達成にはシステムに加え、やっぱり最後は地道な活動が有効のようだ。
特別寄稿
東日本大震災から1年 復旧復興工事の安全確保へ 現場間の連絡調整課題に 「掛け持ち」で管理不十分な実態が
東日本大震災の発生から1年。被災地では急ピッチでの復旧・復興工事が続いているが、十分な工期が得られないことから必要な安全対策がとられていなかったり、現場の掛け持ちで連絡が疎かになるなどの問題が浮かび上がっているという。また、建材に含まれる石綿や除染作業の健康管理など課題は山積みだ。そうした現地の状況と行政の対応などについて、宮城労働局の落合淳一局長に寄稿いただいた。作業責任者が一つひとつの現場を巡視し、計画に基づいた作業が実施されているかを確認するなど、「基本的な安全管理体制を徹底すること」が求められるとしている。
ニュース
・「隠れた開口部」が危険 ごみに混じった硫酸飛散も がれき処理特有の災害を分析 安衛研
・被災建物解体で崩壊増加を懸念
・作業指揮者向け教育がスタート 中災防・除染業務で
・壁つなぎの違反3現場で 埼玉労働局 足場倒壊事故受け緊急パト 32事業場に指導を実施
・ビルメンの災防でガイドライン改訂 中災防
・小売業管理者の教育要領を策定 厚労省
・厚生労働省人事異動(PDFまたはビューアでご覧ください)
道しるべ
統計資料
どこに危険が?何が不安全?(KYTシートコーナー)
第9回 「プレス作業」/監修:山室ウェルビーイングコンサルタントオフィス 所長 山室 栄三
安全・衛生マン喜怒哀楽
「一体感」を感じながら/山陽空調工業(株) 安全環境衛生推進室 室長 古川 俊成
社労士が教える労災認定の境界線
第128回 社有車で運転中に相手車とトラブルが発生、傷害事件に
/一般社団法人SRアップ21福岡会 内野労務管理事務所 所長 内野 俊洋
建設業の労働災害事例
第173回 水糸の巻き取り中、後退した不整地運搬車に轢かれる
腹山課長 健康生活への道
第23話 健診直前のダイエットの巻/(株)マベリックトランスナショナル 管理栄養士 健康運動指導士 竹内 夕美子
現場ゼロ災のための安全文化考
その9 作業手順書の作成/建設業労働災害防止協会 セーフティ エキスパート 中込 平一郎
イラストで学ぶリスクアセスメント
第27回 支柱足場の崩壊、倒壊防止/中央労働災害防止協会 関東安全衛生サービスセンター 安全管理士 中野 洋一
あんぜんクロス
第9回 出題:正木ノリオ
産業カウンセリングの現場から
第23回 目に見えないものとの闘いで/田部事務所 代表 特定社会保険労務士 田部 良夫
安衛法・はじめの一歩
第104講 工事の計画の届出1/国際産業労働調査研究センター 代表 木村 大樹
お薦めの一冊
特別教育の要点示す 『除染等業務従事者のための安全衛生のてびき』(中央労働災害防止協会編)
裁判例が語る安全衛生最新事情
第152回 H工務店事件 一人親方の被災と元請負人の責任 神戸地裁社支部平成20年7月30日判決
/弁護士 外井 浩志
送検事例
実務相談室
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