安全スタッフ 2012年5月15日 第2162号
特集
大事故を経験に本当の安全知る 有償にした保護具で意識高める 飯田製作所
「KYを学んだ、リスクマネジメントも勉強して修了証書をもらった。これで安全を確保できた」と安心する会社は、意外と多い。ここに大きな〝落とし穴〟があって、こうした会社では災害が発生することがある。(株)飯田製作所(茨城・猿島郡)も安全教育を実施したのに、その直後に右手親指先端を切断する大事故が起きてしまった。セミナーを受講しただけで分かった気になっていたことを痛感した同社では、勉強したことを生かすため、社長を筆頭に社員全員が本気で安全に取り組むこととなった。「安全教育を行ったから安心」という考え方は危険で、たまたま災害が発生していないと考えるべきだ。
トピックス
平成24年度 主要労働局の重点施策 労災増加 非常事態で対応急務
「東京ゼロ災運動」を展開中―東京労働局 愛知労働局―製造業へ警戒強める
労働災害の昨年の発生状況を見ると、死亡災害が減少する一方で休業4日以上の災害は33年ぶりに2年連続で増加する非常事態となっている。この事態に対応するため、都道府県労働局では今年度は労働災害の防止を最重点課題として位置づけ、昨年比で5%減少という目標を打ち立てた。災害の多発している業種を重点指導業種として、徹底的な指導を行っていく方針だ。東京労働局では、「東京ゼロ災害運動」を展開中で、安全宣言運動に取り組んでいる。大阪労働局は「安全の見える化」の普及に努める考えだ。また、愛知労働局や神奈川労働局では製造業への警戒を強めているほか、各労働局は建設業、道路貨物運送業、第3次産業などを重点に挙げている。
ニュース
・若年労働者 危険感受性向上が課題に 今年度中にマニュアル作成も 製造事業場の災害実態を調査 中災防
・インフラ工事へ除染則適用 厚労省 2.5μSv/h以上で線量管理 運送業には月40時間の基準
・平成24年度全国安全週間スローガン(PDFまたはビューアでご覧ください)
・足場の安全点検 実施者を明確化 厚労省
・焼却炉解体で要綱見直しへ ダイオキシン対策
・機械設備での違反が1000件 大阪労働局
・運転者指導用のマニュアル作成 国交省
道しるべ
トップ&キーマンいんたびゅう
「人づくり」で永久ゼロ災への道を/中興電機(株) 代表取締役社長 出井 善元
どこに危険が?何が不安全?(KYTシートコーナー)
第10回 「高所作業車」/監修:山室ウェルビーイングコンサルタントオフィス 所長 山室 栄三
あんぜんクロス
第10回 出題:正木ノリオ
社労士が教える労災認定の境界線
第129回 複数の職場で就労した労働者がくも膜下出血を発症し死亡
/一般社団法人SRアップ21東京会 高橋社会保険労務士事務所 所長 高橋 雅人
腹山課長 健康生活への道
最終回 ストレス解消できてますかの巻/(株)マベリックトランスナショナル 管理栄養士 健康運動指導士 竹内 夕美子
現場ゼロ災のための安全文化考
その10 危険の認識と使命感/建設業労働災害防止協会 セーフティ エキスパート 中込 平一郎
産業カウンセリングの現場から
第24回 「共にある」の姿勢が大切/宮城産業保健推進センター メンタルヘルス対策支援センター 促進員 藤岡 奈美子
イラストで学ぶリスクアセスメント
第28回 わく組足場からの墜落防止/中央労働災害防止協会 関東安全衛生サービスセンター 安全管理士 中野 洋一
スポット
建築現場に注意喚起シール 墜落・転落防止対策を強化 「東京ゼロ災害運動」を盛り上げ/東京・足立労働基準監督署
安衛法・はじめの一歩
第105講 工事の計画の届出2/国際産業労働調査研究センター 代表 木村 大樹
走れ!安全くん
裁判例が語る安全衛生最新事情
第153回 札幌国際観光事件 中皮腫罹患での死亡と使用者の責任 札幌高裁平成20年8月29日判決
/弁護士 外井 浩志
送検事例
実務相談室
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