【今週の労務書】『実務のための労働法制度』
2021.01.23
【書評】
働き方改革主導者が執筆
前・安倍総理大臣の下で実施された一連の「働き方改革」に厚生労働省幹部として携わった著者が、実務担当者向けに徹して執筆したのが本書である。募集・採用から退職・解雇、賃金、労働安全衛生、労使紛争処理まで労働問題全般を網羅しており、一冊通読で十分な知識が得られる。
働き方改革で労働法体系は、広範囲にわたり大きく変化しつつある。企業の実務担当者に対し、その改革のポイントと対応策を示した「完全ガイド」といえよう。改革を主導する立場にあった著者だけに、要点を押さえた分かりやすい解説で一貫しているのが特徴。
たとえば、無期転換ルールでは、労働者からの転換申込み権が発生しない空白期間の設定の方法などを丁寧に説明している。
(岡崎淳一著、日本経済新聞出版刊、3500円+税)
令和3年1月25日第3290号16面 掲載