美浦トレセンの労災が過去5年で最少に 28年度からJRAと労災防止協議会設置 龍ヶ崎労基署
2017.02.21
【監督指導動向】
茨城・龍ヶ崎労働基準監督署の管内にある競走馬の調教などを行う施設「美浦トレーニングセンター」での休業4日以上の労働災害発生件数が、この5年で最少の77件となった。同労基署は平成28年度から年2回のペースで日本中央競馬会(JRA)など関係団体と労災防止に向けた協議の場を設けるなど対策を強化しており、早速効果が出たかたちだ。
同労基署によれば、美浦トレセンにおける労災発生件数は24年から順に113件、99件、85件、111件、77件。労災が27年に労災が急増したことを受け、今年度からはJRAなどと防止に向けた協議会を発足させたほか、同労基署の担当者が厩舎を直接訪問する活動も実施していた。一連の取組みは、「全国的に見ても珍しい」(同労基署)という。
28年に発生した労災を型別にみると、落馬を中心とした墜落・転落災害が多数を占める。時間別では早朝に集中。休業日数では2~6月と長期にわたるものが半数を占め、1~5年目の入職者が被災者となるケースが多い。
同労基署は「曳馬の時にも注意をしてほしい。調教の際は保護具を着用したうえで、天候にも配慮してほしい」と注意を促している。「美浦トレセンではなかったが、先日も強風の日に調教をしていた際に、落馬したケースがあった」と釘を刺す。