【今週の労務書】『働く人を守る!職場六法』
2021.02.27
【書評】
派遣もテレワークの対象
使用者向けに数多の書籍を出版してきた弁護士である筆者が、労働者に対して労働関係法令の要点をまとめた。使用者側にとっても、労使紛争時の労働者側の出方の把握や、基本の再学習に好適な一冊だ。
取り上げているテーマは、使用者側が対応を誤りがちな問題といえる。たとえば、コロナ禍で注目を集めたテレワークでは、正社員と派遣労働者を比較した際の問題を挙げた。同一労働同一賃金ガイドラインに照らし、派遣先の正社員と同様にテレワークで対応可能な業務にもかかわらず、合理的な理由がなく派遣労働者だけを対象から外すことは違法と指摘した。
新型コロナ関連の問題では他に、経営不振を理由とした雇止めや満員電車で通勤しての罹患――なども収める。
(岩出誠著、講談社刊、TEL:03-5395-3606、1400円+税)
令和3年3月1日第3295号16面 掲載