ブランコ作業中の労働者が墜落死 作業指揮怠った建設業者送検 品川労基署
2021.03.02
【送検記事】
東京・品川労働基準監督署は、墜落防止措置を怠ったとしてビルメンテナンス業者と同社の元代表取締役を労働安全衛生法第21条(事業者の講ずべき措置等)違反の疑いで東京地検に書類送検した。労働者がブランコ作業中にロープの結び目がほどけ、高さ18メートルから墜落する死亡災害が発生している。
労災は平成31年1月11日、東京都品川区内の5階建て商業ビルで発生した。労働者がロープを伝わって降りながら窓ふき作業に従事していたところ、建物上部で結んでいたロープがほどけた。
通常のロープ高所作業では、メインロープとライフライン用ロープの2本を取り付けるため、一方が外れてしまっても墜落を防げる。被災者は1本のロープを2つに折り畳んで取り付けていたのみだったため、結び目がほどけそのまま墜落した。元代表取締役は作業指揮を怠り、緊結状況の点検を行わせないまま作業させていた疑い。
現場には労働者のほか、同じく窓拭きをしていた元代表取締役と交通誘導員が作業していた。元代表取締役は当時、労働者から離れた場所で作業していた。労働者は51歳で、経験年数は31年に上っていた。同労基署は、「労働者本人の判断でロープを2つ折りで使用していたようだ」と話している。
【令和2年12月3日送検】