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「ケア休暇」導入のメーカーなど23社を収載　不妊治療との両立で事例集　厚労省

　厚生労働省は、不妊治療と仕事の両立対策を実施している23社の事例をまとめたマニュアルを作成し、ホームページ上で公開した。オタフクソース㈱（広島県広島市）、㈱東邦銀行（福島県福島市）などのケースを収載している。
　オタフクソースでは、不妊治療などを理由に取得できる「ケア休暇」を設けている。月１日分の特別有給休暇を付与し、１時間単位での利用を認めている。このほか、所定労働時間を１時間もしくは２時間短縮できる短時間勤務制度、治療に専念するための最長１年半の休職制度なども整備済み。
　東邦銀行は、不妊治療を含めたライフイベントを理由に取得可能な「キャリアサポート休暇」を導入している。無給で６カ月～１年の範囲で休職できる仕組みで、雇用形態や勤続年数の長短を要件としていない。
　事例集のなかでは、対策に取り組む際の手順も示した。実態把握に向けて必要となる社員アンケートのフォーマットなどを盛り込んでいる。

200万円弱の賃金を不払い　きくらげの菌床製造業者を送検　宇部労基署

　山口・宇部労働基準監督署は、労働者３人に対して賃金を支払わなかったとして、㈱サンアロー（山口県宇部市）と同社元代表取締役を最低賃金法第４条（最低賃金の効力）違反の疑いで宇部区検に書類送検した。
　同社は、きくらげの菌床の製造・販売を行っている。立件対象期間は令和４年７～12月で、労働者３人に対する半年間の賃金（合計約198万円）について、全額を支払わなかった疑い。
【令和６年６月10日送検】

建設現場６割で安衛法違反　元請関係の違反めだつ　青森労働局　令和５年度・監督結果

　青森労働局は、令和５年度に実施した建設工事に関する監督指導結果を公表した。合計171現場に対して実施し、103現場（60.2％）で労働安全衛生法違反が発覚している。
工事の種別に違反率をみると、建設工事が60.2％、木造家屋等低層住宅建築工事が62.0％だった。
建設工事に関する項目別の違反率は、「特定元方事業者等」が56.9%と高い。具体的には、元請として関係請負人（下請事業者）に対して安衛法に違反しないよう必要な指導を行っていない、協議組織の設置・開催、関係請負人との連絡・調整、作業場所の巡視などを行っていない――などのケースがあった。このほか、足場の作業開始前点検を行っていないなどの「通路・足場」は35.5%、高さ２メートル以上の作業床の端に囲いや手すり、覆いを設置していないなどの「墜落防止」違反率は30.7%となっている。
木造家屋建築工事では、「特定元方事業者等」、「足場」、「墜落防止」の違反率がいずれも３割台だった。

有所見率は55％で横ばい　血中脂質などが高止まり　愛知労働局　令和５年・健診状況
　
　愛知労働局によると、令和５年に実施した定期健康診断における有所見率は前年と同水準の55.1％だった。項目別では、血中脂質、肝機能、血圧などで有所見率が高止まりしている。
　有所見率とは、定期健診を受診した労働者のうち、異常の所見があった者の占める割合。令和５年は55.1％で前年から0.1ポイント伸びている。中長期的には高まってきており、平成17年の43.9％と比べて、11.2ポイント増加した。
　項目別に有所見率をみると、血中脂質28.1％、血圧16.1％、肝機能15.3％、血糖12.0％、心電図10.6％の順に高い。血中脂質はこの15年、毎年30％程度で推移している。肝機能も15％前後の水準が続いており、低下がみられない。

労災発生状況　外国人で前年比17％増加　高齢者も１割増　愛知労働局・令和５年

　愛知労働局がまとめた令和５年の労働災害発生状況によると、外国人労働者の死傷者数（新型コロナウイルスを除く）は674人で前年578人から16.6％増加した。全体の死傷者数は7817人で、外国人が占める割合は8.6％となっている。
被災者の内訳を国籍別にみるとブラジル人が186人（27.6％）で最も多い。以下、ベトナム人160人（23.7%）、フィリピン人99人（14.7%）と続いている。
60歳以上の高年齢者の死傷者数は2186人で、前年比9.4％増だった。型別では転倒が38.0％を占めている。