コロナ禍で変わる支援業務/かなまき社会保険労務士事務所 印牧 政彦

2021.03.28 【社労士プラザ】
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かなまき社会保険労務士事務所 印牧 政彦 氏

 新型コロナウイルス感染症の拡大により、労働者のみならず、我われ社労士も働き方が大きく変わろうとしている。

 不要不急の外出を避ける有効な働き方としてテレワークの導入が推奨されているが、導入が先行しているため、たとえば自宅においてインターネット環境を利用してテレワークを行う場合の私用と業務との費用負担、労働時間管理、モチベーション維持といった根本的な労務管理のあり方については、今後、社労士が積極的にかかわるべき領域である。

 手続き業務についても、感染防止の観点からみると、対面を行わない電子申請が非常に有効であるが、2020年時点において、労働・社会保険手続きにおける電子申請普及率はおおむね50%と、税務などの手続きに比べて低調だ。最近行われた電子申請サイトe-Govのリニューアル、政府主導の押印省略の推進など、電子申請が急速に普及する土壌が整いつつあり、とりわけ社労士においては、電子申請は避けて通れない状況といえよう。

 一方で電子申請の普及により、従来の社労士による手続き業務がなくなるだろうといわれて久しい。普及率が低いので実感がないのかもしれないが、私自身の感覚では、手続き業務のニーズが減っているとは全く感じていない。

 確かに、e-Govのリニューアル、会計ソフトなどとの連携により、事業主が電子申請を利用しやすい環境は整いつつあるが、電子申請か従来の紙による申請かにかかわらず、申請の目的や必要の有無の判断は従来どおり変わらず重要である。

 コロナ禍さなかの2020年の算定基礎届は記憶に新しいところである。多くの会社において休業を行ったため、算定基礎の判断、計算が非常に複雑になってしまった。社労士であっても非常に苦労した方も多いのではないだろうか。これは非常に極端な例ではあるが、申請前に複雑な「判断が必要」である良い例だと感じている。

 また、社労士の行う申請の多くは届出なので、極端にいえば、記載内容の体裁が合っていれば、内容が間違っていても申請としては受理されてしまうのである。これは、申請内容によっては保険料にも影響を及ぼす。

 手続き業務において、我われ社労士に求められているものは、必要な申請を正確に早く提出することであり、将来的にもニーズは存在すると考えられる。

 そして、電子化やオンライン会議などにより効率化された時間を活用し、相談業務の充実に充てるなど、今後、我われ社労士にとっても大きな働き方改革が進むと考えられる。

かなまき社会保険労務士事務所 印牧 政彦【埼玉】

【Webサイトはこちら】
http://kanamaki.com/

令和3年4月5日第3299号10面 掲載
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