【安全衛生・お薦めの一冊】『建設業のリスクアセスメント』
2011.02.01
【書評】
工事・店社の両方で
危険性または有害性の調査(リスクアセスメント)が事業者の努力義務となっているが、建設業の場合、店社と現場の役割分担や関係請負人との連携など業種特有の特徴がある。これらを踏まえ、建設業版のマニュアルとしてまとめたのが本書だ。工事(作業)ごとだけでなく、店社でも定期的に実施すると効果があるとしている。
「情報の入手」の項を例にとると、「店社では調査の場合には過去の災害データやパトロール結果から資料をデータベース化」し、「工事ごとの調査では設計図書や作業の周辺環境に関する情報、混在作業による危険性などの情報を入手すべき」など、2つ観点からリスクアセスメントを解説。さらに元方と関係請負人それぞれの実施手順と実施内容を示した。
巻末には実施・活用事例集として帳票記入例を掲載。リスクアセスメントの結果を施工計画などに反映させる際にも役立つ。
(建設業労働災害防止協会刊、TEL:03-3453-8201、A4版、131ページ、定価2500円)
平成23年2月1日第2131号 掲載