【安全衛生・お薦めの一冊】『職場のメンタルヘルス実践ガイド』
2011.03.15
【書評】
部下の「心のケア」に
職場でのメンタルヘルス推進の基本は、管理職によるケア(ラインケア)にあるというが、時間的余裕もなく手がまわらないのが本音だろう。本書は、管理職が部下の心のケアについて「すべきこと」「してはならないこと」を具体的に解説。不調サインの見極め方から職場復帰のステップまで、適切な対応方法を示している。
分かりやすいよう事例を交えているのが特徴。例えば「管理職は、何をどう見なければいけないのか?」の章では、仕事のできる女性社員が人事異動で新しい仕事に就いたものの、成果が上がらず「うつ状態」と診断されたケースを挙げた。これに対し「貢献・協調・努力を認めて関係性を強化する」としている。「関係性」を強化することで、心がよみがえるという。
資料もふんだんに掲載しており、「メンタル不調のサイン」などのチェックリストは役に立つ。
(ダイヤモンド社刊、佐藤隆著、TEL:03-5778-7240、四六版、287ページ、1600円+税)
平成23年3月15日第2134号 掲載