【安全衛生・お薦めの一冊】『ガス溶接・溶断作業の安全 ガス溶断技能講習用テキスト』
2011.04.01
【書評】
爆発防止へ正しい知識を
建設や製造現場でよく行うガス溶接作業だが、一歩間違えば爆発や火災などにつながることから、作業者には法律で技能講習の受講が義務付けられている。
本書は技能講習のテキストとして学科の内容を取りまとめるとともに、最新の機械設備や作業態様の現状などを解説。ガス、酸素、溶接装置などの適切な知識と作業の危険性、労働災害防止対策を盛り込んでいる。一例を上げると、「逆火」と呼ばれる現象では、溶接中のホース内へ炎が戻っていき、バルブなどから勢いよく炎が噴き出す。これは、ガスの残量が減って酸素が多くなった場合や、酸化物で火口が塞がれたときに発生し、防止には安全器の取り付けなどが必要になるという。
ほかにも酸素の誤った使用による爆発や油火災など、実際の災害事例も紹介しながら防止対策を説明している。ガス溶接に携わる作業者は読んでおきたい一冊だ。
(中央労働災害防止協会刊、TEL:03-3452-6401、B5版、156ページ、840円)
平成23年4月1日第2135号 掲載