交流重ねサービス向上へ/コスモポリタンインターナショナルHRソリューションズ 代表 永井 知子
私は主に外国人の労務管理を専門とした社会保険労務士として活動しており、セミナーや執筆の機会を数多くいただいている。ここ数年は外国人技能実習制度の講師として、全国で講義を行っている。
しかしながら、自分が伝えられることには限界があると常に思っている。
法令や各種制度の留意点について、各種講義や執筆で毎回一生懸命伝えているつもりだが、成果はどのくらい出ているのだろう。新聞やテレビのニュースをみていると、法令違反の話題は尽きないため、まだまだ頑張らないといけないと思わされることも多い。
伝えたいことはたくさんある。
たとえば、外国人技能実習制度は悪いイメージで捉えられがちだが、実際の現場では実習生と良好な関係を築いている企業もたくさん存在する。
また、コロナ禍でテレワークが注目されているが、日本の働き方において、テレワークに適していない部分があることも課題となっている。チームで仕事をする想定になっていて個々の業務範囲が曖昧なこと、結果よりプロセス重視で評価をする傾向があることなどから、組織や業務のあり方から見直しが必要となるケースも多い。
この点で、外資系企業では根本的に考え方が違うことも多く、外資系企業の労務管理にかかわるなかで日系企業の課題点がみえてくることもある。
このような気付きは多くの社会保険労務士が、それぞれの得意分野の中で感じていることかと思う。
労働・社会保険関係だけでなく、労働者派遣法や職業安定法など、社会保険労務士が把握しておくべき情報は幅広く存在する。そのような人事労務の大切な情報をより多くの人たちに伝えるために自分ができる一歩として、私は社会保険労務士会や出身大学の社会保険労務士OB会の広報委員を担当している。社会保険労務士間で情報共有することで、それぞれの社会保険労務士の顧問客へのサービス向上に活かすことができる。
そのほかでは、外国人技能実習制度や外資系企業の人事にかかわる方々とSNSを利用して定期的な情報交換をしている。
SNSでは他士業の方、海外で仕事をしている方、大学等で研究をしている方等の貴重な意見を伺えるし、それをタイムリーかつ多くの方々へのフィードバックも可能だ。そのような積み重ねを地道に続けていき、企業の成長や労働者の労務環境の整備につなげていくことが今の理想である。
コスモポリタンインターナショナルHRソリューションズ
代表 永井 知子【東京】
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