【道しるべ】災害防止団体 注視したい今日的状況への対応

2012.02.15 【ひのみやぐら】
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 厚生労働省の労働災害防止団体改革検討専門委員会は昨年末、企業における自主的活動促進のうえで災防団体が果たしている役割と意義は現在も失われていない、とする検討報告をまとめた。団体会員事業場における災害発生率が、非会員のそれに比べ極めて低い実態にあることが評価のポイントになっている。

 昭和39年(1964年)施行の労働災害防止団体法によって設立された各団体(特別民間法人)は、国の監督指導と併行するかたちで安全衛生管理活動に関する技術的指導・援助、教育、調査研究、啓発などの事業を展開してきた。それが管理システムの進展、組織と個人の意識高揚等々に寄与してきたことは衆目の認めるところだろう。その間の教育研修からは、職場安全衛生の中核となって牽引する人材が多数輩出されてもいる。

 また逆に、民間事業場との交流の中では災害防止に有効な手法の発掘があり、ノウハウの普遍化にも力が注がれてきた。例えば、中央労働災害防止協会(中災防)のゼロ災運動での導入を機に燎原の火の如く広まったといわれるKYT(危険予知訓練)の普及と定着などは、現場の創意を活かした典型例いえる。

 そうした業務実績を残す災防団体だが、存在意義を保持して常に事業場からの要望に応えていくには、さらなるバージョンアップが必要だろう。生産システムや労働環境のめまぐるしい変化、あるいはメンタルヘルス問題の拡大傾向は、安全衛生に関する現場のニーズを多様で複合的なものにしている。中小企業や第三次産業の管理水準向上へのバックアップも依然、重要課題のままである。

 この今日的状況に関して中災防の関澤秀哲理事長は、本誌インタビューで「各分野の専門知識を糾合し……パッケージ化された問題解決型の対処法を示すかたち応えていきたい」と語っている。産業安全衛生のあり方を追究しつつ、事業場支援にも当たってきた災防団体が今後どのような取組みを展開するか、期待をこめて注視していきたい。

平成24年2月15日第2156号 掲載
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