【道しるべ】台風・豪雨対策 油断なく備え避難を最優先に

2012.09.01 【ひのみやぐら】
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 毎年のことながら二百十日のころともなると台風・集中豪雨への備え、被害回避措置の有無について触れざるをえなくなる。この種自然災害の恐ろしさはもとより承知していながら、ことし7月に九州地方などが大雨に見舞われたときがそうであったように、被災者からは「生まれて初めての経験」とか、「アッという間の出来事で」とかの声が聞かれ、例年の如くだからである。

 それまで難を逃れてきて、甚大な被害に遭った経験がない人たちにとっては、天災に巻き込まれる現実というのは想像の域をはるかに超えるものと推測できる。しかし、そうした中には、直接わが身に降りかからなかったからと過去の例を“対岸の災禍”視して忘れしまう誰にもありがちな悪しき性行が多少なりともあって、事前の防備不十分が被害増大につながった面があったようにも思える。いずれにしろ、この国の気象事情からすれば、どの地域においても天災に翻弄される可能性はあるのだから、警戒心の保持や油断への注意は怠れない。これは働く職場・現場においても同じである。

 「●情報収集の担当者、緊急連絡網・連絡先、作業停止判断規準等々を決めているか、●避難場所を決めての訓練をしているか、●防災資機材(土嚢、電池、懐中電灯、非常食、常備薬など)の準備や配備ができているか、●重要書類や備品などの濡れ・飛散防止対策、IT機器の浸水防止対策、原材料や製品の防水対策等々はできているか、●禁水物質や劇毒物の格納は万全か――etc」

 ここに挙げたのは台風・大雨に対するリスクアセスメント項目のほんの一部で、内容は“基本中の基本”といわれるものである。気象悪化に伴う現象にはほかにも強風による構造物の倒壊、土砂崩壊、土石流発生、地下室・地下現場の冠水などがあって種々多様なだけに、前掲の対策は必要不可欠でスムーズな対応行動が求められる。特に人命最優先とすれば、迅速で早々のうちの避難ができる教育訓練をしておきたい。

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平成24年9月1日第2169号 掲載
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