【道しるべ】体験学習 実地訓練は職業観にも好影響

2012.10.15 【ひのみやぐら】
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 「見て、聞いて」だけではおぼつかず、「触れて、動かし(動い)て」みて初めて理解、習得できることが世の中にはごまんとある。機械・道具類の操作や使用はその最たるものだろうが、一般人はともかく、「ものづくり」を業とする人たちともなると、そのいち早いマスターが求められるところだろう。

 これに応えるため、工業高校・専門高校の生徒と教員を対象として実地指導を行っている施設がある。本号トピックスで取り上げている富士教育訓練センターである。「職業体験学習」と銘打っての教習には生徒用に「建築基礎技術コース」と「安全衛生教育」が設けられていて、専門知識と基礎技術が現場技能者の指導によって教え込まれている。

 具体的な内容を挙げると、「足場、型枠の組立て・解体/鉄筋、土間配筋の組立て方法/測量実習」があり、安全衛生教育では「小型クレーン、玉掛けに関する知識と運転・操作/関係法令講義/安全衛生への意識付けと活動訓練」のほか建設業関連の職業講話、施工現場見学も行われる。

 一方の「大学卒業後、建設現場を経験せずに教員となった先生」には、現場実務施工体験研修と、2級建築・土木施工管理技士試験対策講座(生徒が受験勉強をする際のポイント教示)があって、施工体験とともに進路指導上のアドバイスが得られる。

 これまでの受講生徒数は1400人強(教員は約300人)だが、“生きた授業”に対する感想は良好で「プロのテクニックや熟練の技に感銘」、「ものづくりに興味が湧いた」、「建設業への見方が変わった」などの声が多く寄せられているとか。教員側も同様で「学生時代に受講しておきたかった」、「学校での実習内容を見直したい」と語るケースが少なくないという。

 こうした入職前の教育訓練については、若い即戦力の確保を重要課題としている建設業界、とくに専門工事業者が注目するところなのだが、意外と知られていない面もあるらしいから、小欄から改めてアピールしたい。

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平成24年10月15日第2172号 掲載
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