【安全衛生・お薦めの一冊】『建設工事の公衆災害防止対策10のポイント』
2021.07.27
【書評】
改正要綱踏まえ事例示す
通行人や近隣住宅への被害などが大きく報道され、社会的信用の失墜にまでつながる公衆災害。本書は、2019年9月に改正された「建設工事公衆災害防止対策要綱」に基づき、さまざまな事故事例や安全対策などをふんだんにイラストを用いて解説している。
夜間、高齢者が犬を散歩中に敷き鉄板の段差につま先をはさんで転倒した事例では、厚さ3㎝の鉄板の上にクレーンを駐車したため、鉄板の重ね合わせ部に約5㎝の段差ができ、それが歩行者用通路にまで及んでいた。
防止対策として監督者・職長が歩行者通路を確認して改善することなどを指示。歩行者通路の条件には、0.9m以上の幅、凹凸をなくすとともに滑りにくい状態を確保することなどがあると説明している。車椅子使用者も想定され、作業後の確認も重要になる。
被害が出た場合の対応についてもポイントをフローチャートで分かりやすく解説している。
(岡部政美・今井朋男・水上隆男著、清文社刊、TEL:03-6273-7946、B5判、32ページ、200円+税)
令和3年8月1日第2383号 掲載