【ひのみやぐら】長期休暇明けの熱中症に警戒
今年も全国安全週間で、各都道府県労働局の局長などによる安全衛生パトロールが行われた。巡視が実施された6月中旬~7月上旬は梅雨が明け、熱中症対策を本格的に取り組まなければならない時季で、呼びかけには絶妙のタイミングだ。労働局の局長はじめ健康安全課の担当者は、クールミストや休憩所など熱中症対策のための設備を興味深く視察していた。
一方で、本号が読者諸兄のお手元に届くのは8月中旬ごろ。まだまだ暑さが厳しいのは、間違いないだろう。厚生労働省が進める「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」は実施期間を9月30日までに定めており、折り返し地点を過ぎたとはいえ残り一月半、引き続き警戒が必要だ。もっといえば、熱中症による死傷者はキャンペーンが終わる10月以降も発生しており、決して気を緩めることはできない。
夏も後半に入ったところだが、この時季に注意したいのは、夏休みでの長期休暇による体調管理だ。身体が暑さに慣れることを暑熱順化といい、熱中症を予防するうえで重要な要素といえる。自律神経の反応により気温の上昇に合わせた発汗が素早くできるようになり、熱中症にかかりにくい体質になる。この時期は、各社お盆休みなどで長期休暇が予定されていることだろう。暑さに慣れた身体でも仕事から長い間離れてしまうと、順化がリセットされてしまう。つまり、熱中症にかかりやすくなる。
暑さに強い身体を維持するには、ウォーキングやジョギング、自転車などでしっかりと汗をかく、半身浴やサウナを利用する、冷房を控えめにするなどの方法がある。休暇明けに身体が暑さに慣れていないと感じたら、無理をしないで徐々に暑い場所で作業するようにするとよいだろう。
なお、厚労省では委託事業として「学ぼう!備えよう!職場の仲間を守ろう!職場における熱中症予防情報」と題するウェブサイトを開設。オンライン講習動画や対策マニュアル、各種リーフレットなどを掲載しているので、現場で役立てたい。
夏も後半になると、暑さによる疲れもでてくる。体調管理に配慮を。