【道しるべ】姉妹紙60周年 節目を機に安全活動の回顧も
弊社の「週刊・労働新聞」が創刊60周年を迎えている。3年後には本誌もそれに続く(前身は「労災実務通信」、後に「労務スタッフ」、「安全スタッフ」へ題号変更)。この間、両紙誌は労働問題の動向に視点を据え、人事・労務、安全衛生管理に関する専門情報を発信してきた。
顧みてみれば、半世紀余における経済社会の変遷は企業経営、職業生活のあり方に変化をもたらし、働き方にも様ざまなスタイルを生んで、なお変貌の兆しを見せている。新聞報道、専門誌編集も同様、時宜に即した制作を続けながら、より読者ニーズに適った情報提供の有り様を探る状況にある。
そうしたなか弊社では今年をひとつの節目の年と捉え、産業労働の来歴を回顧しつつ将来的な展望に目を向けたセミナーなどを企画している。また、本誌編集部でもこのほど「姉妹紙・労働新聞創刊60周年記念号」と銘打った特別誌を作成した。
「安全衛生活動60年史」、「安全の基本・基礎」、「送検事例」、「体感研修」、「教育時の動画活用」などの内容は、産業安全衛生の来し方と原点を振り返りつつ、今後において読者各位の関心の赴くものを選んでのテーマ設定である。
そのどれに興味を示されるかは職務歴や年齢によって違ってこようが、旧い世代からすると過去の事故災害に目がいく。誌面に記されているのは国鉄三河島駅での列車多重衝突事故など10余例だが、いずれも新法制定・規制強化あるいは安全確保のための技術・手法開発につながり、犠牲者多出への反省は尊い訓戒として語り継がれている。
最近、現行管理活動の意味合いが理解されていないため実践も上滑りなものになりがち、といったことを度々耳にする。その傾向は災害減少とともに現れてきたともいわれるが、これは安全衛生の依って立つところに不案内あるいは周知されていないことが原因でもあるだろう。
今回発行の特別記念誌が呼び水となり、原点回顧にも注意が向けばと思う。