【ひのみやぐら】認定制度が好スタート
ひと口に安全といっても、いろいろな分野がある。すぐに思い浮かぶものとしては「防犯」「交通」「火災」「自然災害」があげられよう。職場の安全衛生管理に携わる者としては「労働災害」を外すことはできないが、一般市民レベルとなると何番目に出てくるのか、その順位が気になるところだ。
労働災害を減少させるには、現場で働く人だけではなく、社会全体の意識を高める必要があると今年から始まったのが「安全衛生優良企業公表制度」。例えるなら〝安全衛生版くるみん〟(くるみん認定=子育て企業をサポートする企業の認定制度)といえよう。
労働安全衛生マネジメントシステムの認証もアピールにはなるものの、発信先が一般市民へ向けてとなると「分かりやすさ」の面で難しい。やはり、かわいらしい表情をしたシンボルマークのほうが断然受け入れられやすい(安全スタッフ2015年12月15日2248号12ページ参照)。
この認定マークを自社の製品や広告などに使い「安全・健康で働きやすい職場」を広く社会に訴えることができるというわけだ。取引先、消費者、求職者など多くの人たちに対し、知名度とイメージアップにつながる。
認定制度は6月から申請受付が開始されたが、早速その月には第1号が誕生している。総合建設業の「やまこう建設㈱」だ。7月と9月には「パジェロ製造㈱」「㈲ファン工業」が続く。また「㈱みちのく銀行」「㈱七十七銀行」と第3次産業の会社も認定となった。上々のスタートといってよい。
多くの企業が認定を受け、シンボルマークを至る所で目にするようになれば、次第に社会も労働災害防止の重要性を意識するようになるだろう。制度が盛り上がるよう祈る。