「電離放射線障害の業務上外に関する検討会」の検討結果及び労災認定した事案について―福島第一原発事故後の作業従事者2名(厚労省)
厚生労働省の「電離放射線障害の業務上外に関する検討会」(座長:東京医療保健大学 教授 明石 真言)は、平成23年3月の東京電力福島第一原発事故後の作業従事者の2名から、それぞれ咽頭がんの労災請求がなされたことを受け、当該疾病が業務によるものかどうか検討を行った結果、それぞれ業務上との結論となった。それを踏まえ、福島労働局富岡労働基準監督署において、令和3年9月6日に労災認定した。
労災認定された事案について①
○ 労働者は発症時60歳代の男性。
○ 昭和52年4月~平成27年5月のうち約35年、放射線業務に従事。(東電福島第一原発事故後は、構内での作業に従事)
○ 総被ばく線量 約199mSv[うち事故後の作業:約85mSv]
○ 東電福島第一原発において原子炉の運転・監視業務に従事し、東電福島第一原発事故後は、東電福島第一原発構内における、がれきの撤去、原子炉への注水のためのホースの敷設業務等に従事。
○ 東電福島第一原発事故後の業務では防護服・全面マスク等を着用。
労災認定された事案について②
○ 労働者は発症時40歳代の男性。
○ 平成8年5月~平成31年2月のうち約15年、放射線業務に従事。(東電福島第一原発事故後は、構内での作業に従事)
○ 総被ばく線量 約386mSv[うち事故後の作業:約44mSv]
○ 医療機関において放射線技師としてX線撮影業務に従事し、その後、全国の原子力発電所において作業員の被ばく線量管理等の業務に従事し、東電福島第一原発事故後は、東電福島第一原発構内における放射線量測定業務等に従事。
○ 東電福島第一原発事故後の業務では防護服・全面マスク等を着用。
東京電力福島第一原発事故後の作業従事者の労災認定状況
○ これまでに労災認定された東電福島第一原発事故後の作業従事者に発症した疾病は、白血病3件、甲状腺がん2件、肺がん1件。
緊急作業従事者への労災補償制度の周知について
○ 緊急作業従事者(約2万人)に対し、平成24年度から電離放射線被ばくによる疾病等の労災補償に関するリーフレットを7回、直接送付している。
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「電離放射線障害の業務上外に関する検討会」の検討結果及び労災認定した事案について公表します
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_20883.html