高い人間性こそ重要/さくら中央労務 代表 神谷 正紀
「企業の成長発展を使命とし、経営者に知恵と希望を与え、共に未来を創造する」。
これが私どもの事務所の経営理念である。
私どもは社労士の資格とともに税理士や行政書士の資格を有し、顧問先にサービスを提供している。税理士は父親である先代から引き継ぎ50年ほどの歴史があるが、社労士については50歳代半ばに一念発起し、資格を取得した新米である。
資格者は昔ほどではないとはいえ、「先生」と顧問先からは呼ばれ、食事をごちそうになることもある。ともすると、自分自身が鼻高く、他人より偉い存在と勘違いしそうになることがある。とくに若い従業員には錯覚することがないよう口酸っぱく話している。私たちはサービス業なんだと。
サービス業であれば、お客様に対しては明るい態度で接し、困ったことがあれば親身になって相談に応じ、何かあれば即飛んでいき、役立つ情報をタイムリーに提供し……。このように、取るべき行動や対応の仕方がみえてくる。
ある建設業の社長が話してくれた言葉が頭に残っている。「お客様との人間関係を盤石にするには、たとえば、台風の暴風雨のなか、合羽を着てお客様の家を訪ね、“大丈夫ですか”と声をかけるのが一番である」と。当然ながら形だけでなく、心の底からの心配の気持ちをもっての話である。
私どもは人事労務に携わる専門家であるから、これらに関する知識やノウハウも必要であるが、それ以前に人間的な部分で優れていることが第一条件であると思われる。
世の中はITだ、AIだ、クラウドだ、テレワークだ、と業務効率化のための電子化が進んでおり、その傾向は加速化している。
だからこそ、それらとは真逆な誠実さや真面目、責任ある行動といった高い人間性が求められているのだと思う。自動車製造業のスズキ㈱の鈴木修元会長が退任時に話された次の言葉が印象に残っている。「メーカーは作っておしまいでなく、売ってなんぼ。スズキを愛してくれるすべての皆様に感謝しています」。労務の知識だけの頭でっかちになることなく、お客様が求めている情報・サービスが何かを追求し、それらをタイムリーに提供していくことが必要であり、お客様との共存共栄が最大の目標だと思う。
偉そうな文章を書いたが、自分の普段の行動や考えがその通りになっているか、もう一度、自分自身に問い直してみることが必要なようだ。
さくら中央労務 代表 神谷 正紀【長野】
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