【安全衛生・お薦めの一冊】『職長の能力向上のために 第3版』
2021.10.27
【書評】
悩み解決へ優良事例示す
建設業界が大きな転換期を迎えるなか、職長に求められる役割と期待はますます高まっている。本書は、そんな今日的な課題に対応できるようベテラン職長に対するフォローアップ教育と能力向上を目的としたテキストだ。
職長に必要な基礎知識の再確認やリスクアセスメントの進め方、ヒューマンエラー防止活動、さらに職長としての悩み・困ったことを解決した各種優良事例も紹介。そのうえで職長が部下の作業員をどのように指導・教育したら良いのかについて、さまざまな場面を踏まえて分かりやすく解説している。今回の第3版では、法令改正に伴い、ロープ高所作業や墜落制止用器具、石綿則、特化則に関する事項を追加・修正した。
優秀な職長の存在が安全や工事の円滑化にとどまらず、職場環境や生産性向上の肝となりつつある昨今、コミュニケーションの要諦までをカバーしている本書の活用をお勧めしたい。
(建設労務安全研究会編、労働新聞社刊、TEL:03-5926-6888、B5判、224ページ、1500円+税)
2021年11月1日第2389号 掲載