【ひのみやぐら】公衆災害防止対策に配慮を

2021.10.27 【ひのみやぐら】
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 「工事現場の前面の道路に停めた車両からつり荷を揚重していたところ、落下して歩行者に当たる」「建築工事現場でアースドリルが倒壊し、隣接する道路を通行していた車にぶつかる」――第三者が死亡、負傷する公衆災害のニュースが後を絶たない。東京都内や首都圏では東京五輪が終わっても、再開発事業やマンション建築が絶え間なく行われており、街中を歩いていてもすぐに工事現場が目に飛び込んでくる。

 国土交通省の建設工事公衆災害防止対策要綱では、公衆災害とは「第三者の生命、身体、財産に危害並びに迷惑」を指している。第三者の所有する家屋、車両などの破損、公共交通機関の運行妨害、ガス、水道、電気、通信などの架空線や埋設物の破損も含まれる。

 労働災害が悲惨な出来事であるのは間違いないが、工事とは何の関係もないたまたま脇を歩いていただけという通行人が被災するとなると、より悲劇的に報道されることになる。また、社会インフラの妨げになるような被害があれば、周辺住民、地元企業にも大きな影響を与え、会社経営を揺るがしかねない事態となりかねない。現場管理を行う者は、労働災害防止と同時に公衆災害防止についても、配慮と対応が強く求められる。

 公衆災害防止対策として、最も配慮したいのは第三者と接触しやすい交通対策だ。作業場の出入り口は工事車両が通るため危険が多い。誘導者の配置、歩行者の通路確保はもちろん、仮囲いなどで車両の視界が悪くなることから、ミラーや出入りを知らせる回転灯の設置などの対策も有効といえる。道路上空での作業がある場合は、落下物の可能性があり、必要な措置をとらなければならない。

 また、建設機械での事故も少なくないことから、工事に見合った機械の選定や能力の把握が重要になる。

 公衆災害防止は企業として当然の責務だが、一歩進めて地域との交流や貢献も取り入れたい。仮囲いにおしゃれなデザインを取り入れたり、近隣を清掃する活動を行っている現場も見られる。地域とのコミュニケーションは結果的に工事の円滑な進行に役立っているという。

2021年11月1日第2389号 掲載
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