【今週の労務書】『経営戦略としての取締役・執行役員改革』
2021.11.27
【書評】
役割明確化し牽制機能を
今まで「聖域」として手付かずだった取締役・執行役員の改革を――本書ではそんなテーマを掲げ、体制の再構築について解説している。従業員層にジョブ型制度を導入するなど、大きく人事制度を変革した企業であっても取締役・執行役員の処遇はそのままにしている現状が多いと指摘。監督を担う取締役、執行を担う執行役員の役割を明確に分け、健全な牽制機能を利かせやすくすることを勧めた。
今年改定されたコーポレートガバナンス・コードと絡め、独立社外取締役の有効的な活用方法も解説した。有名企業での実際の事例を多く掲載するなど、大企業向けの内容とはなっているが、役員制度があいまいになっている企業には参考になるだろう。
(柴田彰、酒井博史、諏訪亮一著、日本能率協会マネジメントセンター刊、TEL:03-6362-4558、税込み1980円)
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令和3年12月6日第3331号16面 掲載