【今週の労務書】『詳解 労働法 第2版』
2021.12.04
【書評】
同一賃金の解説が充実
本書は、詳解の名のとおり、労働法分野におけるあらゆる論点を網羅しつつ、読みやすく理解しやすい文章で過不足なく解説する。昨年10月の同一労働同一賃金の最高裁判決など最新の動向も盛り込んだ改訂である。
職務発明などほかの類書ではあまりみられない論点にも章を設け説明するほか、とくに同一労働同一賃金に関する内容は充実しており、判例などを分かりやすく整理している。退職金関係では、正社員に一時金や年金で支給する一方、非正規には、毎月の基本給への退職金相当額の上乗せや、個人型確定拠出年金への加入協力と拠出などの形で支給しても、職務内容などに応じて均等・均衡がとれていれば不合理でないと解されるとした。
手元に置き、疑義があれば随時参照したい一冊といえる。
(水町勇一郎著、東京大学出版会刊、TEL:03-6407-1069、税込み8580円)
令和3年12月13日第3332号16面 掲載