【今週の労務書】『人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか』

2017.05.13 【書評】
  • list
  • クリップしました

    クリップを外しました

    これ以上クリップできません

    クリップ数が上限数の100に達しているため、クリップできませんでした。クリップ数を減らしてから再度クリップ願います。

    マイクリップ一覧へ

    申し訳ございません

    クリップの操作を受け付けることができませんでした。しばらく時間をおいてから再度お試し願います。

大きい氷河期世代の余波

Amazonにリンクします

 景気回復といわれ有効求人倍率も上昇するなか、労働者の賃金は一向に上がったようにみえない。この疑問に労働関係の学者ら22人が答えを導き出そうとしたのが本書。

 たとえば、額面という名目上の賃金を引き下げられない「賃金の下方硬直性」が、「賃金の上方硬直性」につながっていると指摘。不況期に賃金を引き下げられず人件費調整に苦慮した企業ほど、好況に転じてもリスクを感じ引き上げない傾向があることを、理論、統計分析の両面から明らかにする。また、就職氷河期世代を境に賃金が大きく減少し、余波が下の世代に影響しているなどの意見も。

 1つの明確な答えこそ出していないが、日本の賃金や経済を考える様ざまな視点を与えてくれる。

(玄田有史編、慶應義塾大学出版会刊、TEL:03‐3451‐0931、2000円+税)

関連キーワード:
平成29年5月1日第3111号16面 掲載
  • 広告
  • 広告

あわせて読みたい

ページトップ
 

ご利用いただけない機能です


ご利用いただけません。