製造業者らを相次いで送検 是正指導繰り返すも防じんマスクさせず 三次労基署
広島・三次労働基準監督署は、令和3年10月~11月、労働者に防じんマスクを使用させなかった製造業3社を相次いで広島地検に書類送検した。いずれの事業場でも労働災害は発生していないが、過去にそれぞれ3~4回是正指導したにもかかわらず改善がみられなかったとして、労働安全衛生法第22条(事業者の講ずべき措置等)違反の疑いで事前送検している。
10月に送検したのは、金属プレス製品製造業者と同社代表取締役。同年7月2日、労働者2人が手持ち式動力工具を用いて金属を研磨する際、防じんマスクを使用させていなかった。
11月にはさらに2社を送検している。機械器具製造業者と同社東城工場の取締役製造部長は、同年7月13日、労働者1人に金属をアーク溶接させる際に防じんマスクをさせていなかった。
機械器具製造業者と同社庄原工場長兼生産部長、同工場生産課機器チームリーダー、生産課チームリーダーの3人は、労働者2人が手持ち式動力工具使用する際に防じんマスクを着けさせなかった。
同労基署はいずれの事業場に対しても是正指導を繰り返していたが、7月に捜査に入った際、防じんマスクの未着用を現認している。機械器具製造業者からは過去にもマスクを使用させていなかったと供述を受けたため、同年5月11~12日、同年7月21日を立件対象期間とした。「防じんマスクは社内に用意してあった。夏は暑くて苦しいからと防じんマスクを外してしまったようだが、代表取締役らもそれを黙認していた」と話している。
【令和3年10月16日、11月4日送検】