生産工程・納期の「見える化」で長時間労働削減 30人規模企業を神奈川労働局長が視察
2021.12.12
【監督指導動向】
神奈川労働局の川口達三局長は、働き方改革に積極的なベストプラクティス企業として、精密板金加工業などを営む㈱荏原精密(神奈川県横浜市、中島一郎代表取締役、労働者数30人以下)を視察した(写真)。11月の過重労働解消キャンペーンに併せて実施したもので、優良企業の取組みを広めるのが狙い。
同社では、全スタッフの時間外労働をグラフ化して社内掲示板で共有。どの工程・スタッフに負荷が掛かっているかを全員で確認し、改善に取り組めるようにした。さらに、バーコードによる生産管理を導入し、工程の「見える化」をしたことで、納期を意識した計画的な行動が可能になり、人員の配置や残業判断の根拠が明確になった。
年次有給休暇については、「遊び」、「旅行」、「リフレッシュ」、「病欠」、「通院」、「家族(犬、猫などのペットも含む)の看護、介護」、「子供の学校行事」など理由を問わず取得できる点を就業規則に明文化した。合わせて、ウェブから24時間いつでも申請可能にすることで、誰でも気兼ねなく取れるようにした。新型コロナの感染拡大直前年度の取得率は95.8%だった。