【今週の労務書】『概説 労働市場法 第2版』
2022.01.22
【書評】
雇保法や派遣法の教科書
雇用保険法や労働者派遣法などの「労働市場法」を体系化した教科書的な一冊。第2版は雇用対策法から労働施策総合推進法への改正などを盛り込んだほか、クラウドソーシングをはじめとした新たな職業仲介サービスの展開に関するコラムなどを加筆している。
新たなサービスについては「一部は、実質的にみれば、募集情報を提供している」と指摘。今後はこれらのサービスをどう法的に位置付けるかが議論されることになるとしている。
地域雇用対策に関する記述も追加した。経済的な理由によって地方への移住をためらう層もいるため、雇用を創出した企業に対する助成だけでなく、都市部と地方の格差の是正につながる所得再分配が必要になると強調している。
(鎌田耕一著、三省堂刊、TEL:03-3230-9411、税込み2530円)
令和4年1月24日第3337号16面 掲載