【今週の労務書】『ロジカルティーチング ガツガツしていない若手社員を伸ばす技術』
2022.02.19
【書評】
心理学の知見など活かす
前のめりで上昇志向が強いタイプでないような、受け身の今どきの若手社員をどう育成するかについて解説したのが本書。心理学や経営学などの知見を生かした手法を示す。
たとえば、人は行動する理由が腹落ちしないと主体的に動こうとしないという「カチッサー効果」を紹介し、行動を起こさない若手社員には、納得する理由と全体像が把握できる説明をするよう助言。テレアポの指導例を出し、売上げ目標達成のため、見込み客が何人ぐらい必要で、受注が取れる確率が何パーセントぐらいあるから、1日何件の電話が必要という具合で説明するとした。
教育するときについ陥りがちな考え方のほか、信頼関係の築き方なども解説し、指導以外の場面での若者との接し方も概観できる。
(阿部淳一郎著、ぱる出版刊、TEL:03-3353-2835、税込1,540円)
令和4年2月21日第3341号16面 掲載