【安全衛生・お薦めの一冊】『裁判例で紐解く 企業の安全衛生責任』

2022.02.25 【書評】
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安全配慮義務へ理解促す

 本誌好評連載中の「裁判例が語る安全衛生最新事情」が再び書籍になった。平成24年に出版した「労災判例に学ぶ企業の安全責任」の続編で、このたび連載記事から69の判例を精選。企業の安全配慮義務や損害賠償を争った裁判例を分かりやすく解説している。

 本書は「安全配慮義務」「損害賠償額」「アスベスト」「過労死等」「過労自殺」「パワハラ」「その他」の章で構成。安全帯を着けないよう作業方法を指示していた企業の責任や荷積み作業で腰痛になったものの安全配慮義務が認められなかったという労働災害関係はもちろん、近年の傾向を捉え、長時間労働を原因とする過労死、長時間労働を含む心理的負担増大の過労自殺、さらにパワハラ事案も数多く紹介している。

 過労死や精神疾患という労災の増加で使用者からすれば、安全配慮義務の考え方が広範囲になった。安全衛生責任の正しい理解に欠かせない一冊だ。

(外井浩志著、労働新聞社刊、TEL:03-5926-6888、A5判、288ページ、税込2200円)

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2022年3月1日第2397号 掲載
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