組織への帰属意識高める/根本社会保険労務士事務所 所長 根本 大作
2021年7月に開催された「東京オリンピック2020」にて10日間にわたりボランティア活動に参加した。担当は国立競技場における「人材管理」というセクションであった。
いわゆる人事部(総務部)的な業務である。社会保険労務士という仕事柄このセクションに割り当てられたのかと当初は思ったが、そういうわけではなく、たまたま担当になったようである。
業務内容は、国立競技場で活動するボランティアの受付をはじめ、自衛隊、各企業の担当者などすべての人が利用する控え室の管理や、人手が不足している部門があれば表彰式のお手伝いや開会式のリハーサルへの参加と、何でも屋のような業務でもあった。
東京オリンピック2020は、大会組織委員会の会長(当時)の問題発言から始まり、開会式直前での演出者の過去の問題行動の発覚、また新型コロナウイルスの感染拡大時でのオリンピック開催自体への異議といった世論でも否定的な見解があるなかでの開催だった。
多くのボランティアが事前に辞退したようで、実際に活動した人はそれなりの思いや覚悟を持った人たちであったといえよう。
ボランティアなので当然のことながら無償だが、参加している人は皆、東京オリンピックに携わっているという誇りや帰属意識に富んでいた。どのような役割でも積極的に取り組み、ホスピタリティーに溢れていた。
また、改善点をみつけたり、手持ち無沙汰になることなく、自分で仕事をみつけ出しては行動するといった自律的な集団でもあったように思う。
海外の選手や関係者などの間ではボランティアへの評価が高かったが、当事者の1人としても分かる気がする。
普段は、社会保険労務士として企業に対し、魅力的な会社づくりや自律的社員の育成、組織開発などアドバイスさせていただいているが、今回、東京オリンピックという組織の一員として携わることで身をもってその重要性を再認識した。
今後も、働くスタッフにいかに会社に愛着を持ってもらうか、誇りに思ってもらえるか、また組織の一員として帰属意識を持たせられるかを企業とともに追求していきたい。
また、自律的なスタッフを育て、他のスタッフともお互いを尊重し協調性を持ったプラスのオーラに満ちた職場環境をつくり、生産性向上や顧客満足度アップ、利益の上がる会社づくりの一助となりたい。
根本社会保険労務士事務所 所長 根本 大作【東京】
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