【今週の労務書】『越境学習入門 組織を強くする「冒険人材」の育て方』
2022.03.19
【書評】
OJTの限界を超える
本書は越境学習を、「ホームとアウェイを行き来することによる学び」と定義し、イノベーションを起こす人材を育てる方法論として紹介する。
従来の企業内OJTによる育成では、組織内での“同質化”が壁となり、全く新しい発想で新事業を立ち上げたり、組織内に変革をもたらしてくれる人材を育てることが難しい。そこで、留学や副業で心理的アウェイに足を踏み入れ、ホームである組織に戻ってきた越境学習者の観察力や冒険者マインドに活路を見出す。
越境学習の効果については、経済産業省も測定事業を立ち上げた。本書の内容は著者らも携わった同事業の成果に基づいている。越境学習者を組織で活かす際の注意点も解説しており、実務にも使える一冊だ。
(石山恒貴・伊達洋駆著、日本能率協会マネジメントセンター刊、TEL:03-6362-4558、税込1980円)
令和4年3月21日第3345号16面 掲載