【ひのみやぐら】リーダーシップを学習する

2022.04.12 【ひのみやぐら】
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 わが国の人口ピラミッドを見ると、64歳以下では第2次ベビーブームのいわゆる「団塊ジュニア世代」が最も多い。年齢でいえば現在、50歳くらいの人たちだ。会社の中では脂の乗った時期を少し過ぎ、ベテランという立場で組織の舵取りを担っているポジションだろう。

 リーダーシップを求められる立場ではあるものの、個々の能力、適性などで差が生じてくる年齢層でもある。さらに年功序列や終身雇用の考え方が崩れてきたことによって、一律に管理職に就く状況が難しくなった。そうなると業務経験からさらに能力に差が生じることになる。ベテラン社員の能力のバラツキや力量不足は、そのまま会社の評価やモチベーションに直結する。もっといえば、企業の業績に深くかかわる重要な問題といえる。

 社員の力量不足は、教育を行うことによって、引き上げていくことができる。ベテランや管理職に求められるリーダーシップは生まれ持った素養と考えられがちだが、実は誰もが習得できるスキルの一つ。例えば、コーチングというスキルは、コミュニケーションを通し、組織や個人が求めるゴールまで導く目的達成手法だ。相手の話に耳をよく傾けて、考えを引き出させる。傾聴によって、気付きを与え問題解決を図るのがコーチングだ。さまざまな機関で学習プログラムが提供されている。

 また、ほめ方、叱り方、指導の仕方、コミュニケーションのとり方は経験知で積むというよりも、研修で習得するほうが効果的といえよう。個々の能力のバラつきを均一にするだけでなく、会社として統一した指導を行うことで、部下の迷いを少なくすることができるからだ。リーダーシップの研修は、責任ある立場の者として自覚を高め、部下、メンバーの士気を高める効果もある。

 組織の運営は、リーダーの能力によって大きく変わるといっていいだろう。50歳台という組織の柱として位置している人たちの層を厚くすることは、強靭な会社とすることにつながる。ベテラン層への教育は、企業の利益にかかわる重要なミッションといえる。

2022年4月15日第2400号 掲載
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