【今週の労務書】『シニア人財を戦力化する 人事・賃金・報酬制度の作り方』
2022.04.16
【書評】
2種類の「役割給」活用を
副題は「ジョブ型人事制度を見据えた70歳雇用延長への対応」となっている。
60歳定年制および再雇用制度の再設計に際しては、2種類の「役割給」の活用を勧めた。定年前の人材には、組織内での期待役割と貢献度に基づく役割給を適用する。再雇用者に対しては、労働契約書に基づいて職務内容と働き方を1年ごとに決定する「短期決済型の役割給」の導入が効果的とした。これにより、正社員と再雇用者との間で同一の仕事基準による賃金制度が運用できるという。再雇用後の賃金の決め方では、職務内容や働き方の変化に応じた減額率を定める「賃金換算表」を用いた手法を示している。
65歳までの雇用確保措置や70歳までの就業機会確保措置を講じた中小企業の例も収載し、参考としやすい。
(菊谷寛之著、第一法規刊、TEL:0120-203-694、税込2970円)
令和4年4月18日第3349号16面 掲載