【ひのみやぐら】マスク外せる場面設定を
熱中症の死傷者は5月から現れるが、すでに対策の準備はできているだろうか? 「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」が5月1日から始まる。
コロナ禍2年目の昨年の今ごろは、マスクをとって仕事ができると思っていた人も少なくなかっただろうが、どうやら本年も口元を覆っての作業になりそうだ。昨年はかすかながらに希望があったものの、3年目となると最早諦めしかない。さらに日本人の国民性としてマスクが好きなので、長いつきあいとなることに覚悟を決めたい。
マスクを装着すると、皮膚からの熱が逃げにくくなって、気がつかないうちに脱水するなど体温調節がしづらくなる。息苦しさや不快感のほか、労働災害防止上必要なコミュニケーションに支障を来す場合もある。例えば、作業員が不意に不安全行動をとったとしよう。注意するにも表情が読み取りづらく、作業員に犯した重大性が伝わりづらい。
そのため、暑熱下ではできるだけマスクをとって作業に当たりたい。屋外では、少なくとも2m以上、人と距離がとれるのであれば外すようにする。作業計画や作業方法を工夫して、フロア別に人数制限をするなど密にならないようにすることが必要だ。
また、休憩所では換気に注意するとともに、休憩スペースの増設や休憩時間をずらすようにする。建設業では、風通しの良い屋外にテントやよしずなどで日陰を作る。スポットクーラーやクールミストを設置すれば、かなり快適な環境となるだろう。適宜、マスクを外して体を休めることが重要といえる。
マスクをすると、口元が常に湿った状態になるので、喉の渇きを感じにくくなる。体が水を必要と感じなくとも、こまめに水分補給をするように心がけたい。
人が集まる場所では夏用の冷感マスク、効果が落ちるが状況によりマウスシールド、フェイスシールドも活用したい。
感染予防には欠かせなくとも、熱中症対策ではネックになるマスク。周囲に人がいないなど、マスクを外せる場面をルール化して、厳しい夏を乗り切っていきたい。