【今週の労務書】『実務 中国労働法 日中対比で学ぶ最新労務管理』
2022.04.23
【書評】
地域毎の運用実態を提示
本書は、中国で労働契約法が施行されてから15年近くが経過し、労働者の権利意識の高まりとともに労働紛争が増加傾向にあるなか、中国に進出する日本企業に対し、中国での労務管理上の留意点を解説したもの。採用から労働契約終了に至るまでの各ステージにおける実務上のポイントを示した。
取り上げている項目は、労働時間・賃金、休暇、労働条件の設定・変更、ハラスメント・個人情報保護・プライバシー、労働契約の解除・終了などで、随所で日本の法制度との違いを記載しているのが特長。地方ごとにルールを制定しているケースが多いことも踏まえ、固定期間労働契約から無固定期間労働契約への転換における北京市と上海市の運用実態の違いなど、地域間での相違点も解説している。
(五十嵐充ら編著、経団連出版刊、TEL:03-6741-0043、税込2200円)
令和4年4月25日第3350号16面 掲載