賃金不払い繰り返した飲食業者を送検 複数回指導も改善なく 横須賀労基署
2022.05.25
【送検記事】
神奈川・横須賀労働基準監督署は、労働者9人の定期賃金について、一部を支払わなかったことで最低賃金を下回ったとして、飲食業者と同社代表取締役を最低賃金法第4条(最低賃金の効力)違反の疑いで、横浜地検横須賀支部に書類送検した。同社は令和元年12月分の賃金の一部である約111万円を支払わなかった疑い。同労基署は平成30年以降同社労働者から「賃金が支払われない」との相談を受けており、同社を複数回指導したが改善がみられなかったため、送検に踏み切っている。
同労基署は、主に短時間労働者への賃金不払いが常態化していたとみている。平成30~令和2年にかけて、すでに退職した者も含め、複数の労働者から相談があったという。資金繰りの悪さを理由に支払い日に遅れることや、一部のみを支払うこともあった。関係書類から金額や労働時間を特定できた労働者・期間に対象を絞り、立件した。
同社は所定支払い日に賃金全額を支払っていないため、労働基準法第24条(賃金の支払)違反にも該当するが、最賃法第4条違反の罰則の方が重いことから、後者を適用している。
同労基署によると、飲食業では新型コロナウイルスの影響で同様の賃金不払いが頻発しており、助成金を活用して是正するよう指導しているという。
【令和4年3月2日送検】