【助成金の解説】特定求職者雇用開発助成金(成長分野人材確保・育成コース)/岡 佳伸
令和4年度に創設
高年齢者や障害者等の就職困難者(特定求職者雇用開発助成金の対象者)を、ハローワーク等の紹介により継続して雇用する労働者(雇用保険の一般または高年齢被保険者)として雇い入れて「成長分野等の業務」に従事させ、人材育成や職場定着に取り組む場合に、特定求職者雇用開発助成金の他のコースより高額の助成金が支給されます。
「成長分野」(デジタル・DX化関係業務及びグリーン・カーボンニュートラル関係業務)への人材移動を目的に創設されました。
受給のポイント
① 特定求職者雇用開発助成金の対象コースの対象者を雇入れたうえで成長分野等の業務に従事させる必要があります。成長分野等の業務の例示は厚生労働省ホームページ掲載されています。
② 成長分野の業務として(イ) デジタル、DX化関係業務、(ロ) グリーン、カーボンニュートラル化関係業務、上記以外の民間から提案のあった成長分野関係業務が該当するとされています。
③ 成長分野対象外の業務として「電気自動車等で単に配送する業務」「単にテレワーク等での在宅業務」「ネットショップの単なる運営」「SNS等での販促活動」等が上げられています
④ 対象労働者について、以下のいずれかに該当する雇用管理改善または職業能力開発に係る取組みを実施する必要があります。取組等の確認は報告書および就業規則等や実施内容が分かる書類で確認されます。
(イ)雇用管理改善
a 諸手当制度 b 研修制度 c 健康づくり制度 d メンター制度 e 短時間正社員制度 f 人事評価制度 g 賃金表の作成 h テレワーク環境の整備 i その他雇用管理改善に資する制度
(ロ)職業能力開発
a 事業主による職業訓練の実施 b 他社が実施する教育訓練の受講機会の提供 c 職業能力検定の受検機会の提供 d 実習併用職業訓練の実施 e キャリアコンサルティング機会の提供 f 有給教育訓練休暇、長期教育訓練休暇、再就職準備休暇の付与 g 事業内職業能力開発計画の作成 h 事業内職業能力開発推進者の設置 i 熟練技能等の習得の促進 j その他職業能力開発に資する取組の実施
⑤ 対象労働者は、成長分野等の業務に支給対象期の概ね半分以上当該業務に従事していなければ対象になりません。
⑥ 対象労働者の雇入れから1カ月以内に計画書を提出しなければなりません。提出が無い場合は、他の特定求職者雇用開発助成金各コースの対象者として取り扱われます。
成長分野の該当例
お勧めポイント
新しくできたコースですが、今までの特定求職者雇用開発助成金各コースの高額助成の意味合いが大きいです。要件に当てはまる場合は申請したいところですが、計画書提出まで雇入れ日から1か月以内と短いので早期に対応できるかが鍵となります。
相談先
各労働局、各ハローワーク
支給申請の流れ