除染作業行う事業場 6割近くが法令違反 福島労働局
2017.05.24
【監督指導動向】
福島労働局は、除染作業を行う事業者に対して平成28年に実施した監督指導結果を公表した。臨検した1020事業場のうち、6割近い586事業場で労働基準関係法令の違反がみつかっている。
総違反件数は982件に達しており、内訳は安全衛生関係が497件で労働条件関係が485件だった。
安全衛生関係を詳しくみると、元請の下請に対する指導(108件)、除染電離健康診断結果の報告(107件)、作業場所の事前調査(101件)の3つの違反類型がめだつ。現場労働者の代表者に線量計を装着させて労働者全体の外部被ばく線量を測定していたが、代表者が現場を離れてしまったために正確な被ばく線量が測定されなかった――というような放射線量の測定違反も44件あった。
労働条件関係の違反では、「割増賃金の支払」が159件と図抜けて多い。その他、賃金台帳の作成(86件)、法定労働時間(77件)、労働条件の明示(46件)などが続く。
また安全衛生に関する法違反率を、福島県内に本社がある建設会社が元請か、それ以外の会社が元請かで分けてみると、前者が70.2%と高率だったのに対して後者は33.0%と低率だったことも判明している。