【安全衛生・お薦めの一冊】『よくわかる労災補償と裁判 安全配慮義務と安全衛生管理』
2016.11.01
【書評】
災害調査は客観的記録を
重篤な災害は起こらないに越したことはないが、もし起こってしまったらどうすれば良いのか? そんな疑問に答えてくれる安全衛生スタッフ向けの解説書だ。著者は百戦錬磨の弁護士。
「どこまでやれば安全配慮義務を尽くしたことになるのか?」「安全衛生スタッフも刑事責任に問われるのか?」など気になるところを確実に押さえている。
第3章の「安全衛生スタッフが関わる賠償の実務」はじっくりと読みたい。安全衛生スタッフが、被害者や遺族への対応に加え、行政官や弁護士、裁判官などの専門家への対応を含め、どのような行動をすべきかノウハウを提示。
災害調査の必要性を挙げ、文書化はもちろんのこと、写真、録音、ビデオ化も検討する必要があるとした。裁判で安全対策の実態が争点になった場合に「客観的な証拠」になるからだという。
(外井浩志著、中央労働災害防止協会刊、TEL:03-3452-6401、A5判、176ページ、1500円+税)
平成28年11月1日第2269号 掲載