【今週の労務書】『2017-2018年版 図解 わかる労働基準法』
2017.06.03
【書評】
無知が招く紛争回避へ
毎年のように版を重ねてきた入門書の最新版で、今年4月現在の法令に基づいている。いわゆる逐条解説とは違い、雇用保険や社会保険関係の手続きなどもカバーしているため、労務管理に求められる事項がひと通り学べる。なかでも、特定社会保険労務士かつ申請取次行政書士である著者だけに、届出・申請関係の解説は詳しい。初めてだと悩みがちな記入欄などに、さりげなくコメントが添えられる。
内容自体は網羅的でありながら、立場によって解釈が分かれるような問題には強いて踏み込まず、全体のボリュームを抑えている。知識不足が招く不要な紛争を防ぐ――という著者の意図は明快で、時間を惜しむ新人担当者、中小経営者に薦めたい。
(荘司芳樹著、新星出版社刊、TEL:03-3831-0743、1500円+税)
平成29年5月22日第3114号16面 掲載