【安全衛生・お薦めの一冊】『上司・リーダーのためのついついやっちゃう不安全行動改善の手引き』
2022.07.26
【書評】
対話を通じて心を開く
安全通路のショートカット、保護具の着け忘れ、作業手順の無視――。「これくらいなら大丈夫」とついついしてしまう不安全行動をどうなくすか。本書では、17の不安全行動事例を取り上げ、「動機付け面接」の手法を用いて部下の心に指示を届ける指導のコツを説明する。
例えば、安全通路外の歩行(ショートカット)では、「お疲れさま、例の新しい旋盤の搬入、大変だったでしょう」と労いの言葉を入口に、「心配して見ていてくれた人がいたよ」と違反を責めることなく本人に行動を自覚させる。ショートカットをした状況や考えなどを問いかけながら、対話のなかで考えを深めていく流れを示している。
日常の対話を少しだけ変えることが、不安全行動を解決する糸口になる。会話例を参考に、望ましい安全行動へとつなげるプロセスは実践する価値がある。
(柴田喜幸著、後藤英之監修、中災防刊、TEL:03-3452-6401、B5判、80ページ、税込990円)
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2022年8月1日第2407号 掲載