【今週の労務書】『退職・解雇・雇止めの実務~業務の進め方とトラブル回避の勘所~』
2022.07.23
【書評】
3つの段階に分けて解説
無断欠勤が続き連絡も取れない、休職期間が満了を迎えた、能力不足で解雇したいなどの労働契約の終了に関し、判例紹介に留まらず、実務上のポイントにも踏み込んで解説したのが本書である。
よくあるケースについて、初動・中間・最終対応と3つの段階に時間軸で分け、方法を説明した。たとえば、無断欠勤で連絡が取れず解雇する場合、初動対応として、自宅にいることを確認できたときは、解雇予告通知書を郵送するに当たり、内容証明郵便に加え、郵便受箱に配達される特定記録郵便も送るとした。前者の受け取り拒否に備え、会社の意思表示が相手に達したことを確実にするためである。
チェックリストや規定例も掲載しており、実務に生かしやすい。
(牛嶋勉、和田一郎、藤津文子、吉永大樹著、第一法規刊 3850円(税込) TEL:0120-203-694)
令和4年7月25日第3362号16面 掲載